…起きなさい! いつまで寝ているのよ!
…?
高圧的な女性の声に呼び起される。
やっと起きたわね…。
目を覚ますと、利発そうな女性。
どこかで見たことがあるような…?
ふと周りを見回すと、そこは真っ白で細長い部屋だった。
自分と目の前の女性以外に、あと3人ほど倒れている。
あたしはゆり、仲村ゆりよ。
他にも倒れている人がいるから起こしてきてちょうだい。
あたしは、いきなり飛ばされてきたこの部屋の視察をしてくるわ。
そういって、あたりを見回している。
す、すごく身勝手な女性だ…。
とりあえず起こしにいこう。
…あっ、おはようございます。
???
え? 誰? ここ、どこっ?
混乱する2人と自己紹介を済ませる。
残りは1人。
奥でうつぶせになっている男性のもとへ…。
・・・
・・・
・・・
う、うわあああ!!!!
どうしたの! 報告しなさいっ!
え…ええ…えええええええ!?
胸から血がいっぱい出てます!!
これは…す、春原さんっ!?
し、死んでる…?
ああ、よくあることね。
放っておけば復活するわよ。
そ、そんなっ…ゲームじゃないんだし…
えっ?
…ああ、そう。そういう反応になるわね普通。
ゆりさんはただならない場所で生きているんですね。
あたしのことはいいわ。
それにしても、全然復活しないわね。
ほんとに死んでるみたいだわ。
こ、これって、すぐ近くにいるんでしょうか…?
何が…?
は、犯人ですっ!
……。
……。
……。
はやくここから離れたほうがいいんじゃないかな…。
でも、出口はどちらにあるのでしょうか?
わからないわ。
それに、最悪の場合、犯人と遭遇してしまうかもしれないわね。
そんな…
手分けして出口を探しますか?
そうね。
調べたところ、この部屋は真っ白の長方形な部屋ね。
四方の壁はこんな感じよ。
赤の扉がある壁。
その真後ろにはピンクと青の扉がある壁。
そこから右を向くと、黄色の扉がある壁。
そこから真後ろを向くと、真っ白の壁。
扉が4つ…?
ええ。
そして黄色の扉は鍵がかかっていて開かなかったわ。
だから、実質扉は3つね。
私は、ピンクの扉が気になっています。
わたしは青かな…。
あら? バラけたわね。
あたしは赤色よ。
なら手分けしましょう。
そこのあなたはもちろん全部付き合いなさい。
い、いや、体が足りない…。
ごちゃごちゃうるさいわね。
体を分裂させてでも来るのよ。
それか、ちょっぱやで全部の部屋を見回りなさい。
それはなかなか無茶な要求です…。
無理を通せば道理は引っ込むわ。
さあ、まずはそこのあなたとあたしで赤い部屋に突入よ!
手をつかまれ、強引に連れられる。
そうして僕は、ゆりと一緒に赤い部屋へ…。